【映画感想】ミッドナイトスワン

『ミッドナイトスワン』はInstagramでなぜか予告映像がよく表示されていて、知った映画です。

とっても気になっいいて調べたら、宣伝はよく目にするのに、上映している映画館が都内も少なくて、唯一都合がいい夜の時間に上映していた渋谷の東宝シネマズで一人映画鑑賞しました。

ミッドナイトスワン

草彅剛さん演じる凪沙は、トランスジェンダーとして身体と心の葛藤を抱えながら、新宿の夜の街で生計を立てています。

広島の田舎の親族は、凪沙がサラリーマンをやっているとばかり思いこんでいます。

そのせいで、親戚の中でネグレクト気味な母親から一時的に引き離す目的で、一果を凪沙に託します。

一果はバレエ教室の見学に行ったことで、りんという友達ができて、様々な困難に直面しながらもバレエの世界に浸かっていく。

バレエ教室の先生も、凪沙も、少しの嫉妬を感じながらも友人のりんも、一果のバレエの才能を確信します。

本当の母親が急に迎えに現れると同時に、バレエだけの人生を歩んできたりんが、完治不可能な怪我でバレエの舞台から消えていきます。

 

この映画で印象的なのは、主に三点。

●草彅剛さんの演技の自然さ

●一果が踊る白鳥の美しさ

●りんの優美最後の踊り

夜のお店では客から侮られ、就職試験の面接ではトンチンカンで失礼発言を中年会社員から浴びせられたりした時の表情や、どうして私だけこんな身体なの、という呟き、項垂れる草彅剛さんの演技の演技が本当に自然。

そして、一果役の服部樹咲さんは、殆どメイクをしていない垢ぬけない田舎の中学生なのに、バレエシーンは圧倒的に美しくて、役にピッタリでした。

最後に、私が映画鑑賞後にも一番目に焼き付いていたのは、もうバレエの舞台に立てない絶望したりんが、コンクールに出場中の一果とシンクロして、バレエ曲『アレルキナーダ』より 「コロンビーヌのバリエーション」を舞い、そして散るシーン。

りん役の上野鈴華さんの優雅なラストダンスに目が釘付けでした。

バレエシーンが多い映画では、本当に踊れる人をキャスティングして欲しいと兼ねてから思っていました。

服部樹咲さんは有名なコンクールでの入賞経験もあり、納得です。

ネームバリューではないキャスティングをしてくださった映画製作関係者の方々に、本当に感謝です。

上映している映画館も少ないうえ、公開2週目にして上映時間もかなり減らされています。

素晴らしい作品なので、できるだけ多くの人に鑑賞して欲しいと思います。