主催者おすすめ小説~その1~
ミーハーな性格なので、基本的に映画化orドラマ化された作品の原作が好きです。
最近は、余程の大ヒット作以外は、上映期間が短いので、
映画館に行きそびれ、結局原作だけ読むパターンが多い気がします…。
●八日目の蝉 (作:角田 光代)
2011年4月に井上真央さん主演で映画化された作品です。
主人公の野々宮希和子が、不倫相手の男性の長女を誘拐した3年半の逃亡劇。
それから、誘拐された少女が大人になってからの人生を描く2部構成です。
時には宗教団体施設で暮らしたりしながらの逃亡生活。
主人公は誘拐した薫(本名は 恵理菜)との間のを文字で追っていると、
二人はこのままの方が幸せだったのかな?と思わせる文章が巧みです。
本当の家族の元へ帰れば、幸せな人生を歩めるとは限らない、
という後半の誘拐された少女の葛藤も読みごたえがあります。
●死神の精度 (作:伊坂 幸太郎)
『Sweet Rain 死神の精度』という題名で、2008年3月に映画化された作品の原作です。
主人公はの死神は、人間の世界では千葉と名乗って、仕事に勤しんでいます。
調査対象である人間を一週間にわたって観察し、対象者を「可」とすれば、
八日目に死亡、「見送り」の場合は死なずに人生を全うします。
彼らは、対象者に近づきやすいよう、容姿を変化でます。
それなのに、上手く対象者に近づけなかったり、薄々対象者から、
自分に会いに来たのかも?と勘づかれる。
何よりも音楽を愛する死神が、「見送り」を選ぶ相手はいかに…?
●六番目の小夜子 (作:恩田 陸)
2000年4月にNHK愛の劇場でドラマ化された作品。
鈴木杏、栗山千明、山田孝之など、今なお第一線で活躍する面々の
憂い憂しさ溢れる時期が重なった貴重な作品の原作です。
物語の舞台は十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれる高校。
三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が選べれる。
今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年。
本作は、春の章から始まり、一年を通し再び春の章で終わります。
春の章の書き出しの表現が秀逸で、始業式の朝に「サヨコ」が
現れることを待つ、校庭の桜の視点が描かれた描写に鳥肌が立ちます。
恩田陸さんの作品は、中学生・高校生くらいに誰もは出会う作品です。
10代の時はストーリーにドキドキしたり、登場人物に感情移入したり。
ところが、大人になってから読み返すと、描写表現の文章力に圧倒されたりと、
10代の時には、気づかなかった面白さを再発見できるので、特にオススメです!