主催者おすすめ小説~その5~
昨年末に知ってから2019年絶賛ブームの作家さん。
一方で、10代の時によく読んだのに、最近は随分お久しぶりの作家さん。
どちらも読むきっかけは読書会でした。
●あまからカルテット(著:柚木 麻子)
手掛かりは残された美味しいお稲荷さんだけ。
女子校時代からの仲良し4人組は、大人になってからも月に一度のお茶会を欠かさない。
ピアノ講師の咲子が一目惚れした相手を探すために、残りの三人は躍起になります。
出版社のグルメ通の情報網を活用する薫子、合コンで出会った男性に人探しを手伝ってもらう満里子、自身のお料理ブログで読者から情報取集する由香子。
もちろん常に仲良しで平和なばかりではいられない。
28歳~29歳と言えば結婚や各々の収入事情だって気になるところ。
全ての出来事に“食べ物”がアクセントになっている、柚木麻子さんが描く素敵なストーリー。
●Q&A(著:恩田 陸)
とある大型商業施設で起きた、死者69名、負傷者116名を出す大事故。
ところが、現場にいた当事者たちすらも、事故の原因が全く分からない不可解な状況が続きます。
タイトルの通り、ストーリーは全てクエスチョン&アンサーによる会話のみで進行します。
その会話のスタートは、決まって以下の定型文。
「それでは、これからあなたに幾つかの質問をします。ここで話したことが外に出ることはありません。」
読み進めていくと、果たしてこの会話の質問者は、先ほどの質問者と同じなのか、、、
など、ある部分を境にモワモワとした気持ちが、薄ら寒いゾクゾクとした空気を醸し出します。
恩田陸さんの作品は、一番好きな六番目の小夜子を筆頭に、球形の季節やネバーランドなど、初期の作品は10代の時に読みました。
読書会で、恩田陸さんの作品を激推ししている人に出会い、ふと、最近の作品を読んでいないと思い、手に取りました。
読書会って、改めてスゴイ★☆★