【映画感想】あのこは貴族

昨年読書会で山内マリコさんの原作を紹介した、『あのこは貴族』の実写映画が2月末に公開されたので、すぐに鑑賞しました。

本当に、昨年から公開を楽しみにしていた作品で、2021年最初の映画鑑賞が本作で良かった。

あのこは貴族

渋谷の松濤の実家で、小学校から大学まで一貫校のお嬢様学校を卒業した生粋の箱入り娘・華子。
地方から死ぬ気で勉強して、都内の一流大学に進学するものの、学費が続かず中退し、夜の仕事から一般企業に就き、東京に留まる・美紀。
同じ東京に住んでいながら全く違う階層を生きる二人の人生は、弁護士・青木幸一郎という一人の男性に出会によって変化していく。

 

生まれも育ちも東京の私には、華子の親友の台詞に“東京は住み分けされている。自分と違う階級の人には出会わない”というな台詞に、とても共感しました。

華子や幸一郎のような貴族ではないけれど、兄弟がみんな同じ私立中学を受験させる家庭で育ったので、自分の人生の進行方向が勝手に決まっていることに気付いた時の息苦しさは、分かる。そして、大学は内部進学したので、附属から上がった人と、真剣に受験に取り組んで上京して入学式を迎えた人との温度差も映画での描かれ方がリアルで、自分の大学生時代を思い出した。

SNSで映画の感想を検索していると、逆に地方の人は美紀の親友が言う“上京してきた人は搾取され、東京の養分にされている”に共感しているのを目にして、本当にどちらの立場からも共感される作品であることを実感しました。

本作品の良い点は、全く違う階層を生きる二人が対立させない物語の構成。

そして、新宿のシネマカリテは、映画に関する記事がズラリと展示されているので、映画鑑賞+αの楽しみもあります。

新宿シネマカリテあのこは貴族映画

映画内で使われている衣装や小物が細かくて、華子が使っているビニール傘とか、映画の序盤でおぉ!となりました。

2時間強の尺に合わせて、原作ではカットされたシーンが結構あって、少し残念なところもあってので、是非原作と映画セットでオススメの作品です。

一番カットされていてショックだったのは、結婚式の当日に華子がしたちょっとした幸一郎への仕返しです。

映画レビューでは非常に高評価なのですが、イマイチ上映している映画館と時間が少ないので、お早めに!