【開催報告】第139回ごきげんな読書会

2025年10月26日(日)第139回ごきげんな読書会を開催しました。
当初このテーマ読書会「書き出しが好きな一冊」は、申し込みの足取りが遅かったのですが、参加者9名(男性4名・女性5名)と超満席での開催でした🈵
初参加の方が4人もいて、嬉しかったです😊

【開催報告】第139回ごきげんな読書会


以下、紹介された本と、その書き出し、または冒頭文章です。




●ニューロマンサー(著:ウィリアム・ギブスン)
書き出し文「港の空の色は、空きチャンネルに合わせたTVの色だった。」

ニューロマンサー



●雪国(著:川端 康成)
書き出し文「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」

雪国




●風よ あらしよ(著:村山 由佳)
書き出し文「空が。青い。これほど青い空を、見たことがない。」

風よ あらしよ



●僕の名はアラム(著:ウィリアム・サローヤン)
「サーカス」の書き出し文「サーカスが町にやってくるとなると、僕と旧友のジョーイはまるで豚みたいに駆け回った」
紹介者さんが読んだ翻訳が見つからなかった為、英文をそれに近い表現に和訳しています。

僕の名はアラム

●最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常(著:二宮 敦人)
書き出し文「僕の妻は藝大生である。」

最後の秘境東京藝大




●涙の箱(著:ハン・ガン)
書き出し文「昔、それほど昔ではない昔、ある村にひとりの子どもが住んでいた。」

涙の箱




●怪人二十面相(著:江戸川 乱歩)
書き出し文「そのころ、東京中の町という町、家という家では、ふたり以上の人が顔をあわせさえすれば、まるでお天気のあいさつでもするように、怪人「二十面相」のうわさをしていました。」

怪人二十面相




●魍魎の匣(著:京極 夏彦)
書き出し文「祖母が亡くなつたので急ぎ帰省した。都会を離れる帰省の列車は空いていた。」

正確には最初のページには魍魎という妖怪の説明文が入ります。

魍魎の匣




●R62号の発明・鉛の卵(著:安部 公房)
書き出し文「死ぬつもりになって歩いてみると、町はあんがいひっそり、ガラス細工のように見えた。」

R62号の発明・鉛の卵



●六番目の小夜子(著:恩田 陸)
書き出し文「その朝、彼らは静かに息をひそめて待っていた。」

正確にはこの前にプロローグがあり、この文章は春の章の書き出しです。

六番目の小夜子




開催報告を書き始めてから気づいたのですが、AIさん、「作品名+書き出し文」で検索しても正確な情報を返してくれる確率って20%くらいで、あまりの精度の低さにビックリしました☹️

「 空きチャンネル 」って耳から入ってきた音だと「秋」なのか「 空き」なのか分からない、そしてその 「 空きチャンネル 」 から連想される色も日本は黒や灰色だけど、アメリカだと青というのが、何とも不思議で面白いですね📺

国によってという話で行くと、今回登場した本の中で、おそらく全員が知っていたであろう『雪国』の冒頭文は、主語がないことが特徴で、それでも文章が成立するのは日本語だから💡
英訳された際には、主語がTrainにされてしまい、興ざめという指摘が面白かったです🚆

かの有名な、『怪人二十面相』の時代も世間話の定番と言ったらお天気なのね☀️☁️☔

逆に、安部公房の書く「ガラス細工」は、現代だとキレイな彩りを想像してしまうけれど、工場地帯の古びたガラスが意図された表現で、こちらは時代によって受け手の印象が変わりそう…🧐

こういった変わったテーマの読書会を開催するのは初の試みなので、どうなることやらと思いましたが、意外と本も被らず、というか割と思ってもいない以外な作家・作品が多かった印象です👀
恩田陸デビュー作『六番目の小夜子』を読んでいる人が少なかったのも以外でした🥀

今後の読書会は、通常のテーマフリー/自由紹介型を11月9日(日)・11月23日(日)開催予定です📅
11月9日(日) は、あと2名/11月23日(日) は、あと1名募集中です✨

お申し込みは、以下フォームからお願い致します。
⇒⇒⇒⇒https://gokigenna.com/sample-page/


本日たくさん候補をいただいたので、12月の課題本の選定も進めていきます🎅🎄