【開催報告/課題本:飛ぶ教室】第143回ごきげんな読書会
2025年12月21日(日)第143回ごきげんな読書会を開催しました。
年内最後の読書会は7名(男性1名・女性6名)で開催しました🎄
初参加の方が3名も来てくださって、嬉しかったです😊
課題本読書会だから参加しようと思ったという方もいて、むかし某読書会主催者さんが“課題本読書会にしか来ない層が一定数いるよ”は本当だったんだなぁと実感しました💡

今年もクリスマスらしい課題本を考えた末、エーリッヒ・ケストナーの名作『飛ぶ教室』に✨
日本ではこの作品が一番認知度が高いというのは、実は今秋に岩波書店が開催した「ケストナーと「わたし」たち展」を訪れて初めて知りました👀
以下、課題本について挙がった話題です。
●正義さんと禁煙さん、どっちが好き?自分の学校の印象的な先生は?
正義さんと禁煙さんで半々くらい。
昭和に講談社から出版された本だと、正義さんは道理さんと訳されているそうです📕
英語版だとそのまま“Justice”なんだとか‼
この二人の先生の陰に隠れているけど、クロイツカム先生のシュールキャラがみんな大好き❤
参加者さんの思い出の先生は、子供目線に立ってくれて今でも帰郷する際には連絡を取っているエピソードや、古典のテストの最後に占い問題を出題する変な先生などなど😂
●主要人物の5人はどんな大人になるか?
ウーリーが一番長生きしそう、進撃の巨人のアルミンみたいに、というのが全員の解釈一致‼
時代背景的にマティアスは戦争の最前線に行かされそう、マルティンの正義感が暴走しないか心配だし正義感から誰かを庇って死にそう、セバスティアンは徴兵は免れそうだけど、何となく早死しそう…。
●一番好きなキャラは誰?
ジャイアンじゃないいいやつ枠で、マティアスは人気!
主催者も読み始めた最初は、借りたお菓子代を返す気ないでしょこの子、と思っていましたが、実家からお金が届いたらちゃんと返済していた💸
ジョニーってスナフキンっぽくて魅力的、禁煙先生のような生き方に憧れるなどなど、本当に惹かれるキャラクターが多数登場する作品なのだと実感しました💡
なお、主催者はセバスティアンが好きです。
最初は何だかキャラの読めない子だと思っていましたが、ウイリーが飛び降り事件を起こしたあとに、自分のズルさを認める自己開示をした時に、一気に好感度が上がりました⤴⤴⤴
●主要人物の男の子たちで、彼氏 or 息子にするなら誰がいい?
息子にするならマティアスに票が集中しました👑
女の子を子育て中の参加者さんお二人も、娘の彼氏で連れてくるならマティアスが良い、たくさん料理をごちそうしてあげたいと大人気🍽️
一番モテそうなのは、ジョニーだけど、気が利きくのに本心を見せないから女性側が“本当に私のこと好きなの?”とメンヘラになって、分かれそう💔別れ話もアッサリで、次にまたすぐ次の恋人ができそう‼
で、全員の解釈が一致しました‼
優等生すぎるマルティンは、意外と選ばれないのが不思議⁉️
●授業は現場検証ってどういう意味?
これだけは参加者全員が分からずでした…
いつも丁寧な注釈や解説を入れてくれる岩波初年文庫にも添え書きがなく、どなたかドイツ語に詳しい方が居たら教えてほしいです🙏
ついでに、ギムナジウムの生徒たちの合言葉は日本語訳では、「あったり前!」や「もちろん!」と訳されていますが、原文ではどうなのでしょう⁉️
何となく英語の“Go for it!”に近いニュアンスを感じますが、果たして…
●好きなシーンはどこ?
近くの実業学校の生徒たちとの抗争シーンが大人気でした☃️
意外とバトルシーンの描写が詳しい、そして長い‼
そして、アドバイスはするけど、子どもたちの世界に加わらない禁煙さんの距離感の良さが際立ちますね。
ケストナー作品って、なぜか対立する学校が登場するのがあるあるなんですよね~
正義さんからクリスマスプレゼントとして、帰省の切符代をもらうシーン、そして両親のもとにサプライズ登場するシーンも勿論良いのは言うまでもなくですが。
ただ、大人になって読むと、せっかく貰ったお金で買うのは葉巻で良いの?とか、突っ込みたくなっちゃいますね🙅
●作品の舞台である男子校って女性からみてどのような印象?
こちらは、たまたま本日の参加者さんが女性ばかり、かつ男性の参加者さんご自身が男子校出身だったことにより出た投げかけです🙋♂️
11才~20才までの男子が集う学校で、主要人物の少年たちは、まさに中二病の真っ盛り‼
劇の女の子役の下級生に、上級生の方が色めきだったりするのは、男子校独特ですね…
そもそも、寮生活の男子校を描いた作品が、あまり思い付かないというの意見もあり、参加者さんから色々作品を教えていただきました📚
その話をしていたら、久しぶりに恩田陸『ネバーランド』を読みたくなりました🫠
●『飛ぶ教室』を読むきっかけや、あなたとケストナー作品の出会いはいつ?
過半数の方が、この読書会に向けて『飛ぶ教室』を初めて読んだというのが意外でした💡
小学生の時に図書館で読んだという方もいれば、司書課程を専攻しているときに作品名を知った、『図書室のはこぶね』という作品のなかに、本作が登場していて知ったという意外な場所で出会っている人も👀
「ケストナーと「わたし」たち展」の盛況ぶりと、作品を読んだことがあるという人に出会う確率の低さがとってもアンバランスな気がします🧐
●ジョニーってどういう子どもなのか?
これは主催が抱いた疑問です。
他の4才で港で一人ぼっちにされた冒頭のエピソードのインパクトは最大なのに、その後にあまり彼の内面を掘り下げるシーンがなく作品が幕を閉じてしまいます⚓
主要な5人組の少年の中で、彼はいつも一歩俯瞰した立場をとり、彼らの中のバランサー的な役割を担ってくれる、優れた参謀的な立ち位置だよね~という皆さまの意見に納得です◎
全部を書くととんでもなく長い報告になってしまうので、この辺りでお暇とします‼
『飛ぶ教室』はメインの登場人物だけでなく、脇役も魅力的だし、本筋と関係ないところで差し込まれる謎の小噺みたいなシーンもちょっと面白いし、少年たちにキャラクター性が垣間見れて、本当に素晴らしい作品だなぁと思いました🎄🎁
DVDを購入して観たよ、という方がお一人だけいましたが、
残念なことに2003年の映画がどこの動画配信サービスでも、視聴できないのです🎬
amazonさん頼みますよ~🙇♀️
2025年の読書会は、これで全て終了となりました。
来年1月の通常読書会は満席ですが、1/11(日)新年会+本のプレゼント交換会はあと2名様募集中です📅
2026年には開催150回を迎えるので、また思い付き企画でイベントやるかもです🎊
お申し込みは、以下フォームからお願い致します。
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2026年もたくさんの読書好きの皆様の参加をお待ちしております◎