【映画感想】ヒトラーに盗られたうさぎ

年内公開の映画で楽しみにしていた作品、ラストは『ヒトラーに盗られたうさぎ』です。

大好きな絵本、『おちゃのじかんにきたとら』の作者である絵本作家ジュディス・カーの少女時代を映画化した作品です。

⇊『おちゃのじかんにきたとら』の絵本はコチラです。⇊

おちゃのじかんにきたとら

こんな明るい絵本の原作者が、ナチスからの亡命生活を幼少期にしていたことがとても衝撃でした。

映画を最後まで鑑賞すると、ドイツ生まれなのに、絵本作家として活躍したのはイギリスなことに、納得です。

ヒトラーに盗られたうさぎ

ベルリンに住む9歳のアンナの父親は、批評家でヒトラー批判を繰り返しており、ヒトラーが選挙に勝利した際の粛清対象者にリストアップされてしまいます。

一足先に、その警告を知った家族は、ヒトラーの選挙勝利が現実味を帯びてくる直前にスイスのチューリッヒへ亡命します。

スイスは中立国である故、安全ではあるものの仕事がなく、家族はパリへ移り貧しい生活へ様変っていきます。

亡命する時に荷物は最小限しか持っていけないから、泣く泣く大好きなうさぎのぬいぐるみを家に残してきたから、タイトルが『ヒトラーに盗られたうさぎ』ということです。

貧しい生活の中でも子供の誕生日や、クリスマスなどの家族行事や、アンナの父親が妻に心配りを忘れない姿が印象的なのはもちろんですが、他の子どもと違う事をするアンナを肯定してくれる家族に在り方が良いなと、思いました。

“子供の頃に苦労したから、私たちは将来有名な人になる”という宣言通り、兄妹二人そろってイギリスで大成していたのですね。

少し調べたら、『おちゃのじかんにきたとら』はEテレでアニメ化されていました。

英国版のアニメはトラの声が予想以上のオジサン声でえっ…となってしまいましたが…。

自分が子供の時に大好きだった絵本作品が現代にアニメ化されているのは嬉しいです。

この映画『ヒトラーに盗られたうさぎ』ですが、都内だと上映している映画館がシネスイッチ銀座しかないのが、本当に残念です。

もっと大々的に放映して欲しい作品です。