主催者おすすめ小説~その3~
ラストが気になって、他のことを中断してでも夢中で本を読む。
読書会に参加する人であれば、誰もが一度は経験したことがあるかと思います。
今年は、早くも文字通り夢中で読んだ小説が2冊も。
●本屋さんのダイアナ (著:柚木 麻子 )
小学校3年生の始業式の日、ダイアナは憂鬱な気持ちで自己紹介の順番を待っています。
シングルマザーで、歌舞伎町で働く母がつけた、大きい穴、“大穴”で“ダイアナ”と読ませる名前はいつもからかいの対象になるからです。
そんな時、“赤毛のアンの親友のダイアナと一緒で素敵な名前”と言ってくれた彩子ちゃん。
二人は読書好きという共通点で仲良くなり、家族ぐるみの付き合いにも発展します。
ところが、小学校6年生の彩子の中学受験の直前に二人は絶交。
次に会話を交わす10年後まで、二人の少女のすれ違いと成長が描かれます。
●豆の上で眠る (著:湊 かなえ )
結衣子が小学校1年生の時、2歳年上の姉・万佑子が失踪します。
2年後に発見された万佑子を名乗る少女に、結衣子は“かすかな違和感”を感じます。
幼少期のローラースケート事故の時に、姉の目の右横には、豆のさや形の傷が残ているはず。
大学生になり、実家を出た結衣子。
母の入院を聞き、帰郷したときに駅で姉がとある女性と一緒にいる姿を目撃します。
最後まで読むと、タイトルの意味が分かります。
この2冊に共通していることは、著者が小学生の目線表現が秀逸なところです。
小学生って大人が思っている以上に、周囲のことをよく観察しています。
一方で、大人からすると突拍子もない、時には残酷なことも考えています。
新年早々ノンストップで読み進めた2冊でした★☆★