主催者おすすめエッセイ~その2~

先日通りかかった書店で、“食べ物”にまつわるエッセイが特集されていました。

食べるのが大好きな主催者は、うっかり引き寄せられ、その特集から三冊も買ってしまいました。

夢中で1日で2冊読んでしまった、お腹が空くこと間違いなしの作品をご紹介します。

●いとしいたべもの (著:森下 典子 )

いとしいたべもの

著者が、幼少期から現在に至るまで、ひとつの食べ物にスポットを当て、それにまつわる家族や友人とのエピソードが綴られた一冊。

何が驚くかというと、この表紙や、全てのエピソードの挿絵のイラストを全て著者が描いていることです。

まるで絵本のような優しいタッチの挿絵をみているだけでお腹が鳴りそうです。

印象的なエピソードは、表紙にもされているメロンパンとの思い出。

パン屋さんに出掛けるたびに、母親にせがむものの、菓子パンはNGだった。

勝手にメロンパンの味をひたすら空想し続けた著者は、初めてのお小遣いでついにメロンパンを食べることができるのですが、、、。

他にも、水羊羹を『雪国』の芸者・駒子に例える表現が、とても秀逸でした。

 

●こいしいたべもの (著:森下 典子 )

こいしいたべもの

『いとしいたべもの』の続編。

こちらの方が、著者が思春期に差し掛かった時期の話が多く盛り込まれているせいか、ただお腹が空くだけでなく、同じ女性として共感できる部分も多かったです。

『いとしいたべもの』では、その家庭の経済状況を具が表すとされていたカレーライス。

本著では、思春期には父親がルーとライスをかき混ぜるスプーンの音に嫌悪感を示すエピソードになっています。

お茶の先生との出会いで、手土産の和菓子選びひとつでも、正面から取り組むこと。

中学受験の合格発表の後に食べた、チョコレートケーキ。第一志望の学校に落ちた著者は、受かった友達に“おめでとう”が言えたことを、父が褒めるシーンが素敵だなと思いました。

それにしても、著者が少々高島屋びいきなところが、嬉しくなります。

(学生時代に高島屋でアルバイトをしていたので)

 

2冊一気に読んで、猛烈にデパートの和菓子売り場に行きたくなりました★☆★