主催者おすすめエッセイ~その3~
過去のオススメを振り返ると、食べ物エッセイしか読まないキャラになってしまう!
もちろんそれ以外のジャンルも読みます!アピールも兼ねて、少し趣向の違う2冊のおすすめエッセイを紹介致します。
●出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと
(著:花田 菜々子 )
夫との別居をきっかけに、出会い系サイトに登録。
そして、出会った人におすすめの本を紹介する試みを一年間続けた著者。
なぜ、本を紹介することにしたかというと、当時の著者はヴィレッジヴァンガードの店長で、毎月入荷する無数の本の情報がインプットされていたからです。
日頃の会社員生活では、絶対に出会わない人々との出会い。
当然、出会い系サイトのため、男女関係目的の人もたくさんいます。
様々な人と知り合う過程で、出会い系サイトのより有効的な活用方法も覚えていきます。
人と人との繋がりで生まれる新しいイベントや、挑戦できるようになった仕事。
著者が出会った各登場人物のエピソードは面白いのは、もちろんですが、ヴィレッジヴァンガードが本屋だったことを久しぶりに思い出しました。
本屋だったはずのヴィレヴァンが、どんどんキャラクター雑貨屋さんになっていくことへの著者の葛藤。
“ヴィレッジヴァンガード=遊べる本屋”で10代を過ごしたので、そこにも大きな共感を覚えました。
●黒いマナー(著:酒井 順子 )
“これぞ、酒井順子さん!”と思える、ブラックユーモアな切り口が爽快な“マナー”をテーマにしたエッセイ。
冠婚葬祭や、年賀状、メールやパーティーはもちろん、自慢・ハゲや露出など、かなりパーソナルな部分に切り込んで、黒くもスマートなマナーを著者が綴ります。
特に印象的だったものが二つ。
まず、謝罪のマナーとして土下座はずるい手法というトピックス。
土下座は“振り上げた拳を今すぐ下ろしてください”と相手に強要することとイコールになります。
そこには、この場をカットアウトしたいという、謝罪するべき側の目論見が透けて見えるのです。
もう一つは、人の地元を悪く言ってはいけないマナーが、東京都だけが対象外とされていることです。
これは、都会のマナーというトピックスで紹介されています。
東京にいる地方出身者が「東京は嫌い」と発言する。
ところが、その東京がまさに故郷の人々もいるにもかかわらず。
これは、東京出身の主催者としては、大変共感することです。
東京の駄目なところを羅列するのに、東京で長く働いている人に会うといつも???となる気持ち。
酒井順子さんが、見事に代弁してくださっていました。
30代半ばを過ぎると、他人を注意したいと思う瞬間が多くなるそうです。
昨年30歳を迎えたので30代半ばに差し掛かる前に、黒いけれどスマートなマナーを身に着けたいものです。
それにしても、表紙と挿絵がシュールカワイイ★☆★