主催者おすすめ小説~その8~
読書会のTwitterアカウント運用を始めて、4か月。
タイムラインに魅力的な本がたくさん流れてきて、ついつい買ってしまいます。
今回おすすめする2冊も、Twitterで推されていて買って面白かった小説です。
●行方(著:春口 裕子)
ある日、公園から自分の娘の琴美が失踪した。
幼稚園帰りに娘と遊んでいた筈の友達の恋文(レモン)ちゃんのママは、失踪当時のことをなぜか曖昧にぼかしてハッキリした状況が分からない。
焦る母親の妙子、一方的に妙子を責める姑、何とか冷静を保っている妙子の夫、家族の異常事態を心配する息子。
20年以上、両親が探しても見つからない琴美はどこに行ってしまったのか。
続きが気になって、一日で読んでしまいました。
序盤は姑やパート先の人に強く言えない妙子が、終盤ではとても逞しくなっていたのが印象的でした。
最後まで読んでも、恋文(レモン)ちゃんのママがなんでその日だけ、琴美まで連れて帰ったのかがイマイチ分かりませんでした。
が、推測すると、ゲンナリする理由しか思いつかず…。
いくつになっても、“女”でいたいと女性が思うのはいいけれど、行き過ぎると子供には酷ですね。
ユッキーの彼氏、ヤンキーだけどいい奴だなぁ。
●朝が来る(著:辻村 深月)
栗原夫妻のもとにかかってきた一本の電話。
「子どもを返してほしい」と、自称産みの母親からの電話だった。
栗原夫妻は、不妊治療を断念し、特別養子縁組で、ひとり息子の朝斗をむかえました。
朝斗は、来年は小学校入学というタイミング。
果たして、自称産みの母親の本当の目的は?
栗原夫妻と朝斗の親子の絆の強さに、とても感動する作品でした。
養子であることを、朝斗本人にも小さい頃から伝え、周囲の人々にも一切隠さない、栗原家の毅然とした態度が印象的です。
この本をきっかけに、特別養子縁組が日本でもっと広がればいいなと思いました。
どちらも親子をテーマにした作品です。
いつも思うのですが、家族とは、血がつながっているから絶対に幸せになれる、というものではありません。
そして、子供って小さくても大人が思っている以上に、周囲の状況を感知しているし、言葉も理解しているものです。
子供の前での言動はひと一倍気を付けようと思うと同時に、いろいろな家族のカタチが広まればいいなと思います。