絶版と知りショックだった絵本・児童書
最近、読書教育 (@YondemyEdu)を少しお手伝いさせていただきました。
自分が読んだ絵本・児童書のリストを作成にあたり、出版社を調べたりしていると、多くの絵本・児童書が絶版になっている事を知りました。
お気に入りだったのに、絶版と知りショックだった本をご紹介します。
●どんなケーキがいいかしら (作:谷 真介 /絵:国井 節 )
幼稚園の園長先生が、園児のお別れパーティーにどんなケーキを作ろかとあれこれ模索しています。
その途中の妄想ケーキがかなりシュールで、笑えます。
子ども一人一人に合わせた、可愛いケーキが並んだページは圧巻で、何度も読み返したくなる子供夢が詰まった絵本です。
ケーキが美味しすぎて、お皿を舐めてしまうって、子供の時についついやりましたよね。
根強いファンが多いようで、メルカリなど中古市場では今なお取引されています。
※既に公式画像すらなく、写真はAmazonさんのページから引っ張ってきています。
●はりきりダレルは新入生(作:エニド ブライトン /訳:佐伯 紀美子 )
『おちゃめなふたご』シリーズの作者、ブライトンが描く寄宿舎学園物のひとつ。
主人公のダレル女の子なのに短気ですぐに手が出るという、パンチのある性格が当時衝撃的でした。
本人も自分の癇癪もちな性格を改善したいと思っていますが、短所の改善って時間がかかります。
それが、物語の中でうまく表現されていて、我慢できて成長を感じるときもあれば、うっかり怒ってしまって自己嫌悪に陥ったり。
実際に10代前半ってこういうことが起きて、すごく共感できる内容でした。
ブライトンの寄宿舎物語にはもうひとつ『おてんばエリザベス』シリーズがあります。
こちらも絶版です。
読んだ当時から圧倒的に『おちゃめなふたご』シリーズが好きで、次が『はりきりダレル』、『おてんばエリザベス』は共学の寮生活が舞台で、男の子とのイザコザがあんまり好きではなく、一作品目しか読んでいませんでした。
ふたごとダレルは表紙と挿絵が大好きな田村セツコさんのイラストだったので、好きだったというのもあるかも。
『おちゃめなふたご』シリーズだけでも、後世に残してほしいと思います。
※こちらも既に公式画像すらなく、写真はAmazonさんのページから引っ張ってきています。
●すてきなケティ (作:クーリッジ /訳:山主 敏子 )
アメリカのファミリーの日常物語。カー一家の長女ケティは6人兄弟姉妹。
そそっかしくて、感情の起伏も激しく、しっかり者ではないけれど、応援したくなる女の子です。
ケティはシリーズで何冊も出ているのですが、今から思えば児童書なのに結構内容が重い!
第一冊目の『すてきなケティ』では、主人公のケティが怪我をして下半身が使えない寝たきり生活になる話。
シリーズの『すてきなケティの寮生活』では、寮での女の子たちや先生の人間関係のイザコザがかなりエグイです。。
寮生活ものだと『おちゃめなふたご』シリーズの方がずっと平和!
ブライトンの寮生活物語ではイギリスの女の子は真面目、フランスやアメリカの女の子は自由きままに描かれていますが、ケティの寮生活は全然自由ではありません。
気付いたら、全部ポプラ社さんの本ですね!
是非、重版を検討して欲しいです。
そして、本当にお気に入りの本は手放してはダメですね。