主催者おすすめ児童書~その4~

久しぶりにガッツリ児童文学を読んだら、児童書について語りたい欲がさく裂しております。

小説や絵画の展示で好きだった児童書の小ネタを見つけると、それだけでテンションが上がってしまいます。

●おちゃめなふたご (作:イーニッド・ブライトン)

おちゃめなふたご

サリバン家の双子姉妹、パトリシアとイザベルが、寄宿舎学校に入学してから、最上級生になるまでのシリーズ作。

当初は入学を嫌がり、どこの家庭の子供でも入学できるクレア学院をバカにしていた双子。

ところが、思った以上に学力やスポーツのレベルが高く、上級生との上下関係がしっかりしているクレア学院。

双子は周囲の先生や同級生と次第に打ち解けて、成長していきます。

級長ヒラリーがしっかりしているけど、冗談も通じる子で、こんな子がクラスに一人いたら、先生が楽だろうなーと思ったり。

真夜中に寮を抜け出して、女の子たちだけでやるパーティーにとても憧れました!

村田沙耶香さん、柚木麻子さんの作品にチラッと登場するので、是非探してみてください。

 

●バレエシューズ (作:ノエル・ストレトフィールド)

バレエシューズ

全員親が異なり、孤児の三人に女の子が、変わり者の学者のガムに拾われて三姉妹として成長していく物語。

三人で自分たちを“フォシル(=宝石)三姉妹”と名乗り、歴史に名を残すことを誓います。

五年旅から帰還する予定が、全く音沙汰がなくなったガムのせいで、少女たちは何とかして自分たちで生活費を稼ごうとします。

ブロンズの美少女ポーリーンは女優として、賢く機械いじりが好きだけど舞台やダンスは苦手なペトローヴァ、天性のバレエの才能があるポゥジー。

子供が舞台に出演して収入を得ても、親がそれを使い込まないように、お給料の一定額を子供名義で貯金する義務があるロンドン。

第一次世界大戦と第二世界大戦の間の世代なのに、この辺の法律整備が今の日本よりもしつかりしていて驚きです。

そして、海外の児童文学らしく、事実がしっかりと描かれていることが、印象的です。

演技力があっても見た目がイマイチな少女よりも、ブロンズに青い目をした、美少女ポーリーンが舞台アリスの主役にピッタリだとオーディションに合格する話。

 

児童文学で、全員が幸せになりました!的なつじつま合わせをするのには、あまり賛同できません。

『バレエシューズ』を読んでいると、児童文学だけれども、時には残酷な事実もしっかり描かれている所が良いと思います。

思えば『おちゃめなふたご』シリーズも、様々な家庭の事情を抱えた少女たちがたびたび登場しました。

児童文学は大人こそ読むべき良書が多い気がします★☆★