【映画と小説の感想】ゆれる

学生の時に大ヒットしていた映画『ゆれる』。

登場人物の心情や背景を補完する小説が出ていることを知り、大型連休を活用してDVD鑑賞&小説読破しました。

 

東京でカメラマンとして活躍する猛(オダギリジョー)と、実家のガソリンスタンドを継いで地元で働く兄の稔(香川照之)。

母親の一回忌で久しぶりに帰郷した猛。

かつて地元に置いてきた恋人の智恵子(真木よう子)は、兄のガソリンスタンドで働いていて、兄とはいい雰囲気だ。

夜遅いから送っていくとかこつけて、かつての恋人の部屋で関係を持ってしまう。

猛にはたいした意味のない行為でも、閉ざされた田舎の世界で生きている智恵子には、新しいなにかを期待してしまう。

智恵子をうっとおしくも思いながらも、兄と智恵子の三人で翌日、渓谷へハイキングへ行く。

そこで智恵子は吊り橋から落下して死亡する。

その時、吊り橋には震える兄がしゃがみこんでいた。

智恵子の死亡は事故か?殺人か?

 

映画をサラッと観るだけでは、なぜ兄と弟が裁判での供述を変えてしまうのかが、イマイチ理解できませんでした。

映画監督の西川美和さんが描いた小説がそれを丁寧に補完します。

また、兄の稔の弁護士となった伯父が、この事件を、兄弟を、同様に見守っているのか。

そして兄弟の父親である、自分の弟への想いが綴られている章が非常に印象的でした。

映画と小説セットで楽しんでいただきたい作品でした★☆★

【映画予告】

【小説】

ゆれる小説