主催者おすすめ小説~その2~
学生時代は作者が男性の小説ばかり。社会人になってからは、
女性作家さんの作品を多く読んでいることに気づいたこの頃です。
10年以上前に読んだ作品と、10日前に読んだ小説の両方ともおすすめです。
●ふる (作:西 加奈子 )
珍しく映像化されていない小説、しかも初めての西 加奈子さん。
主人公のアラサーOL・花しすは、生活の節々で会話を録音する
盗聴癖のある女性。人間関係に荒波をたてることなく、
平穏に過ぎていくように見える、花しすの日常。
終始ふわふわした空気で物語が進行しますが、
最後のほうは割とスッキリ片づけてくれるので、
読んだ後に気持ちがいいな、と思う小説です。
●白夜行 (作:東野 圭吾 )
決定的な証拠がなく、迷宮入りした、質屋の主が殺された事件。
被害者の息子・亮司と容疑者の娘・雪穂は、
それぞれの人生を歩んでいるかのようにみえますが、
その日々にはいつもどこが不穏な影が霞むのです。
最後に雪穂がつぶやく
『あたしの上には太陽なんかなかった。
いつも夜。でも暗くはなかった。太陽に代わるものがあったから。
太陽ほど明るくはないけれど、あたしには十分だった。』
という言葉は本当に名言だと思います。
視聴率が芳しくなかった割に、信者のような熱狂的ファンがいる、
ドラマ版の白夜行。ドラマから入り、原作を読んだ典型パターンです。
今でも、このドラマの綾瀬はるかさんの美しさは圧倒的だと思います。
ストーリー構成が大幅に違えど、実写キャストがはまり役だと納得できます。