主催者おすすめ漫画~その1~正直不動産
最近読んで圧倒的に面白かった漫画ナンバーワンは、『正直不動産』。
原案が、『クロサギ』と同じ夏原武さん、脚本が水野光博さん、そして漫画が大谷アキラさんです。
まだ完結していないので、単行本の1~8巻までまとめて読みました。
主人公の永瀬財地はタワマンを愛する、登坂不動産の売り上げトップ営業マン。
しかし、かなり強引な手口で契約を取ったり、法律に触れなければ相手に不利益と分かっていても平気で嘘をついていた。
ところが、祠と石碑を破壊した祟りで嘘が付けなくなり、正直な営業で成果を上げざるを得ない状況に追い込まれる。
この漫画は二つの面で良いなと思うところがあります。
まずは、圧倒的な不動産業界の闇。
不動産業界や賃貸・売買問わず、借り手・買い手が情報弱者であり、余程自分で勉強しないと不動産営業マンに言いくるめられてしまいます。
この漫画でも、仲介手数料は減額できること、AD物件、おとり物件や、売買物件の囲い込みなど、消費者に知られたくない情報が満載。
おまけに、内見中に、入居希望者が現れたりする仕込みや営業マンがお客さんを横からかっさらって自分の営業成績にしてしまったりするアルアル事例がこれでもか!と登場します。
買うことはなくても、人生で物件を借りることは誰しも一度くらいはあるので、本当に法律面で勉強になります。
そして、営業という仕事のリアルが上手く描かれてるところ。
ノルマが達成できないと、精神的にキツイ。
そうすると、つい不正をしたくなる。
正直不動産では不正をする営業がたびたび登場しますが、それを“馬鹿だなあ”とただ笑う人は完全新規営業をやったことがない方ではないでしょうか。
キックバッグで癒着をして営業成績を安定させる、架空の契約書を作成し、月末に営業ノルマとの帳尻を合わせ、翌月に即解約する、中抜きをして自分のポケットに現金を入れる、などなど。
営業の仕事をしていると、企業の規模にかかわらず同様の不正をしている営業が普通に存在しています。
後は、下請けに全ての責任を押し付けるとか、無理強いをしすぎて下請けが潰れるとか、不動産業界以外にもあるあるな事例。
まだまだストーリーの途中ですが、主人公の上司にあたるイノシシみたいな大河部長の名言がコチラ!
“人生は、ハンデ戦だ”
これ、すごく分かる、分かる、分かるー!
『闇金ウシジマくん』以来、久しぶりに全国民に読んで欲しいと思った漫画でした◎